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環境管理

地球温暖化防⽌

エネルギー多消費型産業であるセメント産業では、地球温暖化防⽌のため、CO₂をはじめとする温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。住友⼤阪セメントグループではバイオマスエネルギーや廃プラスチックなどの代替熱エネルギーとなる廃棄物・副産物の使⽤拡⼤により、⽯炭などの化⽯エネルギーの使⽤削減を推進しています。

気候変動に対するリスクと機会

当社グループのセメント事業において、⽯灰⽯と⽯炭の消費には⼤量の温室効果ガス発⽣が伴うことから、気候変動に対する「リスクと機会」を重要な経営課題として認識しています。

温室効果ガス排出に対する規制が強化された場合は、財務リスク発⽣の可能性があります。⼀⽅では、温室効果ガス排出削減・省エネ設備に関する技術の向上や、⽯炭に代わる代替熱エネルギーの使⽤増によるリサイクル拡⼤、バイオマス発電使⽤増による収益の拡⼤が期待されます。

また、温室効果ガスが原因とみられる地球温暖化が、近年、⾃然災害(⼤⾬、洪⽔など)の激甚化を引き起こし、サプライチェーンや⼯場操業への経済リスクが強まっています。⼀⽅で、国⺠の⽣命や財産を守るインフラ整備の必要性が⾼まり、インフラに供給する当社グループのセメント関連製品需要の⾼まりを機会として認識しています。

リスク 機会
1. 規制 温室効果ガス(CO₂など)排出規制強化による財務リスク(コスト増) CO₂排出削減・省エネ設備の技術⼒向上
⽯炭代替(リサイクル推進)、バイオマス発電使⽤増による収益拡⼤
2.物理的影響 ⾃然災害激甚化による⼯場操業、サプライチェーンへの影響 ⾃然災害に備えたインフラ整備に伴うセメント関連製品の需要増

今後の取り組み

当社グループでは、上記の通り気候変動に伴うリスクを重要なリスクとして認識しています。2020年4⽉に設置したサステナブル対策委員会(▶P.15参照)において議論を重ね、温室効果ガス削減・脱炭素社会の実現に向けた具体的な⽅策を検討し、温室効果ガス削減⽬標を含めた当社グループの脱炭素社会実現に向けた取り組み⽅針を公表する予定です。

TCFD賛同の検討

⾦融安定理事会(FSB:Financial Stability Board)により設置された気候関連財務情報開⽰タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)では、財務に影響のある気候関連情報の開⽰を推奨しています。サステナブル対策委員会では、気候シナリオに基づき、気候変動が⾃社に及ぼす影響やその影響下での事業の継続性などを議論していき、TCFDへの賛同を検討していきます。

セメント製造に関わるCO₂排出量(温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度に基づいた値)

セメント製造に関わるCO₂排出量(温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度に基づいた値)

  • *1 エネルギー起源には、セメント製造に使⽤する⽯炭などの熱エネルギー起源、⾃家発電起源および購⼊した電⼒起源による排出量も含みます。
  • *2 ⾮エネルギー起源には、⽯灰⽯起源(脱炭酸による*3)とセメント製造にリサイクルとして使⽤する廃棄物起源を含みます。
  • *3 セメントの主原料である⽯灰⽯をキルン内で⾼温焼成中に、⽯灰⽯中のCaCO₃(炭酸カルシウム)の脱炭酸が⾏われ、CO₂が排出されます。CaCO₃(炭酸カルシウム)→ CaO(⽣⽯灰:酸化カルシウム)+ CO₂(⼆酸化炭素)

セメント⼯場における廃熱発電の活⽤

当社グループでは、セメント⽣産プロセスで、発⽣する⾼温ガスを再利⽤する廃熱発電設備を導⼊しています。

この廃熱発電を効率的に活⽤することにより、⽯炭⽕⼒発電による電⼒と⽐べ、エネルギーコストを削減し、排出される温室効果ガスも削減することができます。

バイオマス発電の活⽤

栃⽊⼯場の発電設備は、⽯炭(化⽯エネルギー)の代わりに、⽊質チップなどのバイオマス資源を主エネルギーとして利⽤するバイオマス発電設備で、他社に先駆けて2009年より本格稼働しています。他の⼯場でも⽯炭の補助エネルギーとしてバイオマス資源を積極的に活⽤して温室効果ガス排出削減に貢献しています。

2018年には、住友林業㈱および東⽇本旅客鉄道㈱と共同で設⽴した⼋⼾バイオマス発電㈱にて、バイオマス発電設備の営業運転を開始し、⻘森県の地域の間伐材や周辺鉄道沿線の鉄道林などを使⽤することで、環境に優しいエネルギーを創出しています。バイオマス発電設備から発⽣する焼却灰を、⼋⼾セメント㈱にてセメント製造⽤原料として再利⽤して、地域における循環型社会の構築に貢献しています。

省エネルギー設備の導⼊

当社グループの5⼯場で、全てのキルン(セメント焼成設備)で熱回収効率の良いクリンカクーラー*4を導⼊し、熱エネルギー原単位を低減したほか、冷却空気量の削減によってファンの電⼒消費量についても削減することができました。

岐⾩⼯場と⾚穂⼯場ではキルンバーナー*5の改良⼯事および新型バーナーの設置を⾏ってきましたが、⾼知⼯場でも新型バーナーの導⼊を予定しており、エネルギー効率改善による省エネルギーを推進します。

また、⽊質チップ、廃⽩⼟(油分を含んだ⼟壌)、廃油使⽤により⽯炭(化⽯エネルギー)代替率については国内業界トップクラスの実績をあげています。

2020‐2022年度中期経営計画では、更なる代替率向上のため、廃プラス廃プラスチック処理関連設備の増強に取り組み、⽯炭使⽤の抑制を推進し、地球温暖化防⽌に努めていきます。

赤穂工場

赤穂工場

  • *4 クリンカクーラーは、セメントキルンで焼成された⾼温クリンカを送⾵機によって供給される空気を⽤い急速冷却する装置。冷却の際に熱を吸収した⾼温空気は、キルン・仮焼炉の燃焼⽤空気として活⽤される。
  • *5 キルンバーナーは、キルン内でのクリンカ焼成時に、微粉炭や代替熱エネルギーを効率的に燃焼させて⾼熱を得るための装置。
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