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循環型社会を目指して

動脈と静脈を併せ持ったセメント

~さまざまな廃棄物・副産物のリサイクルを可能にするセメント品質管理~

セメント工場は最適な品質の製品を製造し、ユーザーへ安定供給することが第一であり、廃棄物・副産物利用によって、それらが損なわれることがないよう受入から原料工程・焼成工程・仕上工程の各段階において品質面でも厳重な管理を推進しています。
そもそもセメントの半製品であるクリンカーの製造には、カルシウム、アルミナ、シリカ、鉄といった主要化学成分を含んだ原料が必要で、化学的には、これらの主要成分をある程度含んだ廃棄物・副産物であればリサイクル原料・熱エネルギーとして使用できるということになります。

セメント品質管理

セメントの原料構成(社団法人セメント協会発行『セメントの常識』をもとに作成)

※表は横にスライドしてご覧いただけます。

クリンカー原料 仕上材
セメント1トンあたりの
原料原単位
石灰石類
1.207kg
粘土類
231kg
けい石類
63kg
鉄原料(他)
27kg
石こう
38kg
主要化学成分 CaO
酸化
カルシウム
Al2O3
酸化
アルミニウム
SiO2
二酸化
ケイ素
Fe2O3
酸化
第二鉄
SO3
三酸化
硫黄











天然原料 石灰石*1 47~55%
石炭灰 5~20% 10~30% 40~65% 3~10%
焼却灰 20~30% 10~20% 20~30% ~10%
下水汚泥 5~30% 20~50% 20~30% 5~10%
リサイクル
原料・
熱エネルギー
鋳物砂 ~5% 5~15% 50~80% 5~15%
高炉スラグ 30~60% 10~20% 20~45% ~5%
廃タイヤ ~10% 5~20%
石こう*2 26~41% 37~59%
  • *1:石灰石には、他にもCO2が37~43%含まれているが、原料としては使用されない。
  • *2:石こうは天然のものとして輸入石こうの使用はあるものの、排煙脱硫、リン酸製造、チタン精錬などの副産石こうが多量に使用されているため、リサイクル原料・熱エネルギーとして分類した。

新たにリサイクル原料・熱エネルギーを受け入れる際には、サンプルの提供を受け、上記の主要成分とそれ以外の微量成分について成分分析を行い、その結果を踏まえ、受入可否を判断しています。微量成分とは、鉛などの重金属類のことで、天然鉱物にも含まれているものですが、リサイクル品の増加に伴って、その管理を更に強化しています。受け入れたリサイクル品は、主原料である石灰石とともに、その主要化学成分、微量成分の含有量に基づいて使用量が調整され、調合粉砕されます。さらに焼成から冷却という過程を経て徐々に化学変化を起こさせることで、クリンカーという生成物となります。大量かつ多種多様なリサイクル品を使用しているため、製造したクリンカーの成分を安定させるためには、微量成分を含めた高い分析技術と原料調合技術が必要となっています。

廃棄物・副産物を含む原料の受入からクリンカー製造までの流れとそのポイント
廃棄物・副産物を含む原料の受入からクリンカー製造までの流れとそのポイント

また、製造過程で、調合原料・クリンカー・セメントと姿を変えていきますが、その各工程において、蛍光X線分析装置など最新型の分析機器を用いて、それぞれ微量成分も含めた品質検査を行っております。

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