2050年"カーボンニュートラル"ビジョン「SOCN2050」
日本政府及び国際社会において、2050年カーボンニュートラル(CN)が希求されている中で、当社としても、エネルギー起源のCO2を可能な限り削減した上で、プロセス由来を含めたCO2排出全体をいかにCN化できるかが大きな課題です。2050年までに自社の技術革新・事業基盤の革新と共に、2050年時点での国内外のあらゆる削減方策を総動員して、カーボンニュートラルの実現に挑戦します。

2030年のCO2排出削減目標
住友大阪セメントグループのCO2排出削減対策実績レビュー
- リサイクル品の利用技術確立とその供給システム構築により、国内トップクラスの化石エネルギー代替率とリサイクル品使用原単位を実現しています。
- セメント製造工場では、一早くバイオマス発電設備を導入しました。また、地域森林整備事業とのタイアップも実施しています。


- *1 自家発電での使用量を含む
- *2 セメント製造での消費電力のうち廃熱およびバイオマス発電の占める比率
- *3 エネルギー起源CO2排出量としては、2005年比約45%削減に相当
〔現行の地球温暖化対策計画:エネルギー起源CO2排出量2005年比24%削減(産業部門12%削減)〕
2030年の削減目標に向けた取り組み

2050年に向けた取り組み方針
(セメント製造)セメント製造におけるエネルギー起源・プロセス由来CO2排出量「実質ゼロ」への挑戦
化石エネルギーの限界までの削減 |
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プロセス由来CO2排出削減技術の開発・導入 |
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使用電力のカーボンフリー化 |
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低炭素セメント・コンクリート製品技術開発・供給拡大 |
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革新的結合材料の開発・供給 |
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CCUSに係る革新的技術の開発・導入 |
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(セメント製造以外)サプライチェーンを通じたCO2排出削減・社会全体の脱炭素化への貢献
輸送部門やオフィス部門でのCO2排出削減推進 |
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高機能品事業分野の製品による省エネルギーへの寄与 |
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新規高機能材料の開発による脱炭素社会への寄与 |
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2050年"カーボンニュートラル"ビジョン「SOCN2050」戦略
技術革新 |
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事業基盤の革新 |
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カーボンニュートラル貢献 |
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- *1 CO2の回収(Capture)・利用(Utilization)・貯蓄(Storage)
カーボンニュートラル(CN)に向けたCO2排出削減イメージ

研究開発事例(参考資料)
- 事例紹介「CCUS関連技術開発」
「カルシウム含有廃棄物からのCa抽出およびCO2鉱物固定化技術の研究開発」
CO2を多様な廃棄物から抽出したカルシウムとの反応で鉱物固定化し、利用する革新的カーボンリサイクルプロセスです。そのシステムを構築するための基盤技術開発に着手しています。(NEDO研究開発委託事業採択)
参考ページ:https://soc.co.jp/news/57971/

2050年カーボンニュートラルへのロードマップ
当社グループは、2050年までにカーボンニュートラルを実現する為、エネルギー起源CO2の削減だけでなく、研究開発への投資による技術革新にも取り組み、主原料の石灰石によるプロセス由来CO2も含めて以下の施策で削減していきます。
カーボンニュートラルに向けたGHG排出削減イメージ

2050年カーボンニュートラル達成の為の革新技術の一例
カルシウムとCO2の『デュアル・リサイクル』
CO2多排出産業の一つであるセメント産業のカーボンニュートラル達成には多様な技術革新が必要です。CCSの他に、CCUと呼ばれるCO2を資源として再利用・固定化する技術の実用化が必須と考えています。CCUの多様な技術のうち、比較的社会実装が早い技術としてCO2の『鉱物固定』が有望であり、当社は独自の技術として、様々なカルシウム含有廃棄物から抽出するカルシウムとCO2を直接反応させて人工石灰石としてCO2をリサイクルする技術の開発に着手し、セメント工場への実装に取り組んでいます。


環境解決企業として目指すべき未来
植物が光エネルギーを使って水とCO₂から有機物を合成する「光合成」に対し、太陽光と当社独自技術を結集した「光触媒」の力で水を分解することで水素と酸素を作り出し、その水素を使ってCO₂からメタン等の有用物質を合成するのが「人工光合成」です。
当社の新規技術研究所では、経済合理性と持続可能性を両立する水素製造に資する人工光合成向け光触媒を研究しています。


- 低コストでの水素製造可能な人工光合成用光触媒の開発