未来への挑戦
SOCが実現すること
住友大阪セメントが目指す未来
住友大阪セメントグループは「信用を重んじ確実を旨とする」住友の事業精神と、「私たちは、地球環境に配慮し、
たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します」
という企業理念に基づき、事業を通じて社会課題の解決に取り組んできました。
私たちは、すべての事業で「環境解決」を通じて社会へ貢献する「環境解決企業」であることを
存在意義として定めています。
ここでは、未来に向けてすでに走り出している具体的な取り組みを紹介します。
01
循環型社会
当社グループでは、産業廃棄物・副産物を受け入れ、セメントの原料・熱エネルギーとして安全かつ大量にリサイクルしています。
リサイクル技術向上のためのたゆまぬ研究・技術開発によって当社のリサイクル率は業界トップクラスとなっていますが
さらに循環型社会へ貢献するために、より多くの廃棄物を資源として有効利用すべく
受入・処理設備の新設・増強などに取り組み、受け入れ可能な廃棄物や副産物の品目を拡大しています。
SOCだからこそできる
リサイクル。
この国の最前線を走る。
住友大阪セメントはリサイクルにおいて業界トップクラスの技術力を誇っており、これからもトップランナーであり続けるため、技術開発、設備投資を積極的に行っています。特に天然資源の代替となる廃プラスチックや、一般焼却灰(ごみ焼却施設から排出される灰)はカーボンニュートラルにも大きく貢献するため、受入拡大と安定化を積極的に進めています。今後もより多種多様な廃棄物を資源へと変えることで、循環型社会の構築に貢献していきます。
災害の瓦礫を
次の災害から守る礎に。
震災や水害などで発生した災害廃棄物を受け入れ、被災地の早期復旧・復興を支援しています。受け入れた災害廃棄物を再資源化してセメントを製造し、防災・減災インフラ構築のために供給することで、災害で発生した廃棄物が人々の安全安心な暮らしを守る礎となります。2011年からこれまで、当社グループ全体で約20万tの災害廃棄物を受け入れ、資源に変えてきました。近年では、災害発生時に迅速に対応できるよう、自治体と災害廃棄物受入に関する協定の締結を推進し、協力体制を構築しています。
02
脱炭素・低炭素社会
当社グループは廃棄物のリサイクルやバイオマス燃料の積極的使用により、セメント業界の中でもトップクラスの化石エネルギー代替率を誇っていますが、
時代の要請に応え続けるため、化石エネルギーに代わる熱エネルギー源のさらなる利用拡大を進めています。
1tトンでも石炭を削減できるよう、さまざまな代替熱エネルギーの取り込み・使用に向けて研究、開発に取り組んでいます。
また、CO2の排出削減だけに目を向けるのではなく、CO2を資源としてとらえ、カーボンニュートラルの分野において新規事業を創出します。
地球のため、
全社を挙げて創る未来。
当社グループのCO2排出量を2050年までに実質ゼロにするカーボンニュートラルビジョン「SOCN2050」を2020年に掲げました。当社グループは既に国内トップクラスの化石エネルギー代替率とリサイクル品(廃棄物・副産物)使用原単位によりCO2削減に貢献していますが、技術革新による更なる化石エネルギー由来・プロセス由来のCO2削減を進めています。
社会の脱炭素への要求が高まることを危機ではなく、当社が成長するチャンスと捉え、部署や事業などあらゆる垣根を越えて全社一丸となって取り組んでいます。「脱石炭」を業界内で先行して取り組み、カーボンニュートラル社会に貢献します。
CO2を資源へ。
未来を驚かす新事業。
中長期ビジョン「SOCVision2035」において、2035年までに脱炭素分野での新規事業の創出を掲げています。排出されるCO2を資源と捉え、CCU(カーボンリサイクル、炭素の回収・利用)の可能性を追求します。大学や他企業と連携するなどオープンイノベーションを通じて研究開発、実証を進め、事業化を目標に取り組んでいます。事例のひとつとして、様々なカルシウム含有廃棄物から抽出するカルシウムとCO2を直接反応させて人工石灰石としてCO2をリサイクルする技術の開発に着手しています。
コンクリート補修の
プロ集団として。
現在、日本では橋や道路などの社会インフラの老朽化が社会問題となっており、コンクリート構造物の補修・補強の必要性が増す一方で、工事現場では労働力不足や原材料コストの高騰が深刻になっています。当社は、コンクリートの基礎材料であるセメントメーカーとして長年にわたり培ってきた技術・ノウハウとICT活用などの新しい発想で、老朽化や災害から日本の未来を守りながら、今後ますます高まる省人化・省力化のニーズに応えます。
03
生活環境・スマート社会
いまや社会インフラの一部とも言える半導体、光通信を支え、スマート社会に貢献し、人々のよりよい暮らしを実現します。
5G通信の普及やDXの進展、生成AIや自動運転の拡大など今後も需要が拡大する分野においてセメント事業から発展した確かな技術力と独自性で存在感を持ち続けます。
大容量化、高速化、長距離化、省電力化など、時代の求めるスペックに応えられる製品、ソリューションを提供し続けます。
半導体製造の鍵を握る
キーデバイス倍増。
半導体製造装置の一部として必要不可欠なのが当社の製造するESC(静電チャック)です。半導体製造工程において、真空状態の中、電気的な力でシリコンウェハを吸着・固定します。均一な温度コントロールや耐電圧性など、求められるスペックは非常に高度です。
当社のESC(静電チャック)は独自の技術で開発した高純度のSiC(炭化ケイ素)超微粒子を原料とし、高純度、高熱伝導、高耐電圧、高耐久性などの特性を実現しています。5G通信の普及やDXの進展、AIや自動運転の拡大など今後も半導体需要は拡大する見込みであり、当社は「SOCVision2035」において半導体関連事業を中核事業と位置づけ、リソース集中投入による事業拡大に取り組んでいます。
光通信の未来を切り拓く、
LN変調器の先駆者。
光通信はデータを電気信号から光信号に変換することで、高速・大容量・長距離の伝達を可能にしています。当社では電気信号を光信号に変換(変調)する、光通信システムの心臓とも言える最重要部品のLN変調器を製造しており、世界中の光通信システムを支えています。オンライン会議やテレワークの普及、スマートフォン等による動画視聴サービスの拡大、ICTの導入などにより光通信への期待はますます高まるとともに、Beyond5Gといった次世代のシステムに適応できるLN変調器が求められています。これからも更なる高速・大容量な通信技術実現のため、独自の技術により高い性能を持ったLN変調器を開発し、国内外に供給することで、情報通信社会の構築と発展に貢献し続けていきます。
04
生物多様性
事業と生物多様性への配慮を両立し、持続可能なビジネスを実現します。
セメント関連事業は、石灰石や石炭などの地球資源を利用して事業を行う性質上、
直接・間接を問わず、周辺の生態系に影響を及ぼす可能性があります。
私たちが企業として事業活動を継続していくためには、地球環境に配慮し生物多様性を保全していくことが必要不可欠と考えます。
自然再生の一歩、
ツシマヤマネコの故郷へ。
長崎県対馬市に当社が保有する遊休地を活用し、ツシマヤマネコが住みやすい環境を生態系から整え、自然環境を再生しています。
具体的には、地元の方々と協力しながら森の間伐や広葉樹の植林を行っています。間伐により森を大きく育てるとともに、広葉樹の植林によってどんぐりなどの実が増え、アカネズミなどのツシマヤマネコのえさとなる小動物が増加しています。
鉱山の足跡から、緑の未来への道。
滋賀県米原市に位置する伊吹鉱山では、1971年から採掘跡地の緑化事業に取り組んでいます。これは国内の鉱山において企業自らが緑化に取り組む先進的な事例であると言われています。また国内の他の鉱⼭でも、伊吹鉱山での⽅法を活かし、採掘跡地および集積場の緑化を進めています。
海洋製品事業の展開による
ブルーカーボン・プロジェクト。
コンクリートの技術を応用し、魚礁、藻場礁の製造・沈設の海洋製品事業を展開しています。近年は藻場のCO2を吸収・固定化する効果=ブルーカーボンが認知され、藻場造成に取り組む自治体・民間企業の増加が予想されます。ブルーカーボンの取り組み拡大に向け、約20年にわたり積み上げた当社の藻場増殖事業の実績とノウハウを駆使して、藻場造成の支援に取り組んでいきます。