2022年度入社

セメント部門
研究開発

K.E.

工学研究科環境創生工学系専攻

PROFILE

入社後、セメント・コンクリート研究所 コンクリート技術センターに配属。高流動コンクリートやCO2の吸収・固定技術に関する研究開発に従事。2023年には、これらの研究開発に加え、コンクリートのひび割れ低減技術やプレキャスト製品の色調を判定するスマホアプリの開発に従事。

若手社員が積極的に発言するフランクな雰囲気

住友大阪セメントに入社を
決めたきっかけを教えてください。

大学院では微生物由来の繊維を混入することにより、各種性状を改善したコンクリートの研究をしていました。博士課程に進むことも選択肢でしたが、より広い世界を知りたいと考え、コンクリートに関する研究が続けられる就職先を探すことにしました。
住友大阪セメントとの出会いは、大学の研究室に社員の方が来て会社の紹介をしていただいたことがきっかけです。インターンシップに参加したところ、社員との座談会があり、若手研究職が上司に対して、積極的に意見を述べている姿が印象に残りました。フランクかつ和やかな雰囲気で、自分もこの会社の一員に加わりたいという気持ちになり、入社を決意しました。

未知が既知になる面白味

現在はどのような業務を担当していますか?

コンクリートに関する研究開発に従事しています。具体的には、生コンクリート工場やコンクリート製品工場においてCO2を吸収・固定化する技術の開発、コンクリートのひび割れを低減する技術の開発およびコンクリート製品の色ムラを軽減するための管理ツールとしてスマートフォン用色判定アプリの開発などに取り組んでいます。
仕事の中で、社内他部署の技術者とやりとりする機会も多く、お客様が抱えている技術的な課題やニーズなど、新たな研究開発につながる情報交換も密に行っています。
さらに、他の企業や大学との共同研究を通じ、社外の研究者や技術者の方々との技術的な交流もあります。

業務内容の魅力、醍醐味を教えてください。

コンクリートはわずかな環境条件や使用材料の違いで驚くほど性質が変わる特性があり、非常に面白い研究対象です。研究によって得られた成果が実際の構造物などに反映され、人の目に触れる形あるものとなった時には、やりがいを感じます。研究開発と聞くと実験室にこもっているイメージを持たれる方が多いと思いますが、当社の土木建築系の研究職はお客様と接する機会も多くあります。お客様がお困りの問題を手助けするツールを開発し、実際に使用していただいた時に「こんなものが欲しかった!」と言っていただけた時にも、研究開発の仕事をしていてよかったと実感できるのが、当社の研究開発職の良いところだと思います。また、これまで判明していなかったことを発見したり、仮説が証明出来たりした時には、「未知が既知になる面白味」を感じられるのも醍醐味です。

カーボンリサイクルセメントの実用化に一歩

仕事の中で「環境解決企業」を感じるのは、どんな点ですか?

当社は2050年のカーボンニュートラル実現に向けたビジョン「SOCN2050」を掲げており、本社に設置されたサステナビリティ推進室が核となって、全社でさまざまな取り組みを進めています。一例を挙げると、CO2と様々な廃棄物から抽出した酸化カルシウムとを反応させて人工石灰石を製造し、これをセメント原料やその他の用途に適用することで、CO2の吸収・固定と再資源化を図るための技術開発を進めています。これは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業において、「多様なカルシウム源を用いた炭酸塩化技術の確立」という研究開発項目で採択され、多くの大学や企業と協力して研究が進められています。CO2を有効利用する方法は他にも考えられていますが、人工石灰石として鉱物化させるこの手法は、反応がシンプルで転換に必要なエネルギーが比較的に少なくてすむという特長から、早期に実用化されることが期待されています。また、カーボンリサイクルに加えて廃棄物もリサイクルするという点で循環型社会への貢献も期待できる取り組みとなっています。
セメント・コンクリート研究所では、他にもカーボンリサイクルに関連する様々な研究開発に取り組んでおり、「環境解決企業」に向けた取り組みを肌で感じることができます。

今後の目標、夢はなんですか?

現在担当している業務で成果をだすことが当面の目標ですが、それ以外に、学術的な活動にも力を入れたいと考えています。当研究所では、学会活動なども盛んで、私もセメント技術大会(一般社団法人セメント協会)で発表、公益財団法人日本コンクリート学会でも論文投稿を予定しています。また、博士課程で学びたいという想いもあります。夢は自分自身の強みを持つ専門家として、会社に貢献することです。現在、トレーナー(新人の教育係)を務めてくださっている先輩が会社の支援で社会人ドクターを目指しており、博士号取得のため働きながら大学院に通っています。研究所には他にも社会人ドクターとして博士号を取られた方が多くいらっしゃるので、私も先輩方の背中を追いかけたいです。

就職はゴールではなく、スタート

就活中の学生にメッセージをお願いします。

就職活動では、選択肢の多さに戸惑い、「自分が何をやりたいのか」「本当にこのままでよいのか」など不安に思うことがあるかもしれません。ただ、就職はゴールではなく、あくまでもスタート。上手くいかないこともあるかもしれませんが、最善を尽くしたのであれば、何かしらの糧を得ることができるはずです。最後は自分の直感を信じて、先を見据えた選択をしましょう。応援しています!

SCHEDULE
ある一日のスケジュール

  • A.M.
    9:00
    出社。メールチェック
    9:30
    実験準備・実験など
    10:00
    打合せ・報告会があれば参加
    11:00
    実験準備・実験など
  • P.M.
    0:00
    昼食
    1:00
    打合せ・報告会があれば参加。実験結果整理
    3:00
    実験準備・実験など。実験結果整理。打合せ・実験計画資料作成
    5:00
    実験結果整理。事務作業など
    5:45
    退社