2018年度入社

鉱産品部門
資源開発

I.N.

理学研究科地学専攻

PROFILE

入社後、鉱産品事業部に配属。秋芳鉱業(株)(住友大阪セメント最大の秋芳鉱山運営会社)に出向、生産部港頭生産課にて、石灰石プラントの操業管理、予算作成、品質管理、設備改善などを担当。2020年4月から生産部採鉱課にて石灰石鉱山の採掘計画立案、品質管理、重機管理、予算作成、新技術導入などを担当。2023年4月から採鉱課管理係長兼企画室係長。2023年10月から栃木工場 唐沢鉱業所 鉱山課にて勤務。

地質学の知見を幅広く生かしたい

住友大阪セメントに入社を
決めたきっかけを教えてください。

大学院で地質学を専攻していたことから、その知識を活かせる仕事に就きたいと考えました。セメントメーカーは石灰石の採掘を行っているので、学んだ知識を活かすことができ、またセメントという現代社会に不可欠な製品の製造販売を通じて人々の役に立てるという点でも魅力的でした。当社は、採掘、石灰石プラント、地質調査、各鉱山のとりまとめなど同業他社に比べて業務の幅が広く、石灰石にまつわるあらゆる工程に関わることができるという点に惹かれて入社しました。

AI画像解析、日本の衛星測位システムなど新技術で鉱山の生産性向上

現在はどのような業務を担当していますか?

当社のセメントプラントの一つである栃木工場に隣接し、工場へ石灰石を供給する唐沢鉱業所において、石灰石の採掘・剥土計画の立案、集積場の造成などを担当しています。石灰石は、鉄鋼メーカーや化学メーカー、発電所など、様々な産業の原料として使用されていますが、当社においてはセメント製造の主原料でもあり、会社の根幹をなす大切な資源です。石灰石がないとセメントが製造できませんし、主原料である石灰石の品質はセメント製造にも影響するため、セメントを安定的に製造する上でも鉱山がとても重要な役割を担っています。
まだ異動して間もないため、これから取り組んでいこうとしている業務についても説明します。入社後に配属されたグループ会社の秋芳鉱業(株)では、当社最大の石灰石鉱山である秋芳鉱山を運営しながらさまざまな新技術の開発に取り組んでおり、私もいつくかの新技術導入を担当しました。AI画像解析を用いて、石灰石の粒度分析や異物大塊の検知などを行う取り組みもその一つです。また、準天頂衛星システム「みちびき」を利用した品質管理精度の向上、発破規格・設備改善による歩留り改善といった取り組みもあります。秋芳鉱山で開発されたこれらの新技術を唐沢鉱業所にも導入し、鉱山の生産性向上に取り組みたいと考えています。

業務内容の魅力、醍醐味を教えてください。

新しい技術を導入することによって、設備の改善や品質管理方法を変え、資源の有効活用や製造原価の低減につなげることができるところにやりがいを感じています。私が実証実験への参加を提案した準天頂衛星システム「みちびき」は、日本の衛星測位システムで、米国のGPSと組み合わせて利用することで、非常に高い精度で位置情報を得ることができるものです。「みちびき」の受信機を重機に取り付けることで、鉱山という特殊な環境にあっても、重機の位置情報を高精度で把握できることを確認しました。この件は石灰石鉱業大会でも講演しましたが、石灰石業界の発展に貢献できたのではないかと自負しています。

石灰石活用の場を広げたい

仕事の中で「環境解決企業」を感じるのは、どんな点ですか?

鉱山に関することでいえば、採掘後の鉱山跡地での植林活動に取り組んでいることが挙げられます。採掘後の鉱山を緑化することで、事業活動と自然環境との共生を図っています。また、今後の取り組みとして、石灰石の活用方法拡大に、「環境解決企業」としての可能性があると考えています。紙やプラスチックの代替として石灰石を活用することで、木や石油の使用を減らすことができます。また、石灰石を活用して空気中のCO2を回収する技術も開発されています。先んじてこれらに取り組んでいるベンチャー企業もあるので、当社もこうした新しいアイデアや技術を積極的に採り入れ、カーボンニュートラルをはじめとした「環境解決」に貢献していきます。

今後の目標、夢はなんですか?

将来的には、日本で一番多くの石灰石を採掘・販売している会社にしたいと考えています。そのためには、製造原価削減、歩留り改善、品質管理精度向上、設備や重機の整備能力増強などが必要です。新しい技術を導入することで、これらの課題に取り組んでいくことが目標です。現在、私が一番興味を持っているのは鉱山特有の大型重機の無人化です。無人化により安全性の向上や採掘コストの削減に貢献できるのではないかと考えています。

当事者意識を持って、意見や提案を積極的に

就活中の学生にメッセージをお願いします。

上司や先輩に指示されたことだけをやるのではなく、当事者意識を持って、自分なりの意見や提案をしていくことが大切だと思います。当社は若手の意見をよく聞いてくれる風土があるので、積極的な姿勢があれば活躍の場は広がるでしょう。また、私たち技術者は技術開発や採掘現場の管理・運営・保安確保をする立場ですが、鉱山の操業は現場の作業を担う方々がいないと成り立ちません。新しいことに取り組むうえでも、現場で働く方たちの納得や協力が不可欠です。そのため、丁寧な説明だけでなく熱意を伝える姿勢も求められます。就職活動では、自分の専攻にとらわれず、さまざまな会社の説明会に参加して視野を広げるとよいでしょう。そのうえで当社を選んでくれた際には、ぜひ一緒に楽しく働きましょう!

SCHEDULE
ある一日のスケジュール

  • A.M.
    8:00
    出社。メール確認
    8:30
    採掘計画作成、集積場造成
  • P.M.
    0:00
    昼食
    1:00
    採掘現場パトロール(作業の進捗状況確認、改善事項有無確認)
    2:30
    設備改善、新技術導入などの改善
    4:45
    退社