大型船舶のCO₂を回収するCa化合物循環利用技術に関する実証試験の開始について
株式会社INPEX
住友大阪セメント株式会社
大型船舶のCO₂を回収するCa化合物循環利用技術に関する実証試験の開始について
株式会社INPEX(本社:東京都港区、社長:上田隆之)と住友大阪セメント株式会社(本社:東京都港区、社長:諸橋央典)は、2023年8月より共同で研究を行っている、カルシウム(Ca)化合物を繰り返し利用してCO2を回収する技術(Ca-Looping技術、以下「本技術」)の実証試験を開始したことをお知らせいたします。
本技術は、CO2を常温・常圧で運搬可能な炭酸カルシウムに転換できる特性を応用したものであり、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(東京都三鷹市)にて実証設備を設置のうえ、試験を実施しております。
本技術の全体プロセスとしては図1に示す通りです。
A) ①大型船舶などから排出されるCO2をアルカリ溶液(NH4OH)によって捕捉します。②捕捉したCO2を含む溶液(NH4HCO3)を水酸化カルシウム(Ca(OH)₂)と接触させ、炭酸カルシウム(CaCO₃)を生成します。
B) A)によって生成された炭酸カルシウム(CaCO3)をCO2地下貯留サイトへ運搬し、③炭酸カルシウム(CaCO3)をCO2と酸化カルシウム(CaO)に分解し、④CO2は地下貯留、⑤酸化カルシウムを水和(消化)し水酸化カルシウム(Ca(OH)₂)を得ます。
C) 水酸化カルシウム(Ca(OH)₂)をCO2が発生するサイトに運搬し、A・Bの手順を繰り返すことにより、カルシウム(Ca)を循環利用(Looping)し、CO2を継続して回収・地下貯留することができます。

図1.Ca-Looping技術の全体プロセス
本技術は、第一段階として国際的なCO₂排出規制の強化が進む大型船舶に設置することを目指しており、将来的には図2に示すように広く社会実装されることを目指しております。また、INPEXが国内外に保有するCO₂の地下貯留適地の有効利用につながることも期待されます。

図2.Ca-Looping技術が目指す将来の社会実装の姿
INPEXは、2025年2月に策定した「INPEX Vision 2035」において、R&Dを通じて競争優位に事業を進めるための強みを獲得することを目標として掲げており、今後とも「INPEXが既に保有している技術・知見」と「R&Dを通じて獲得する技術・知見」を融合させ、既存事業の優位性を発展させることに加え、新規事業を創造することを目指してまいります。
住友大阪セメントは、2026年5月に改定を行った「2050年カーボンニュートラル・ビジョン“SOCN2050”Version2.0」において、人工石灰石の製造・利用によるCN化及び、オープンイノベーションでの協働パートナーとのCCS検討をロードマップに掲げており、本共同取組の知見を活かしてカーボンビジネスの創出を目指してまいります。
既存事業において長年にわたりCO₂の分離・回収プロセスを運転するとともに、国内外に地下貯留適地とそのノウハウを保有するINPEXと、炭酸塩化CCU技術を有する住友大阪セメントは、両者の知見を共有するオープンイノベーションを通じて、脱炭素社会の実現に必要な技術開発を進めてまいります。
【PDFリンク】
プレスリリース(大型船舶のCO₂を回収するCa化合物循環利用技術に関する実証試験の開始について)
プレスリリース(EN)(INPEX and Sumitomo Osaka Cement Commence Demonstration Testing of Ca-Looping Technology for CO₂ Capture from Large Vessels)
【お問合せ先】
株式会社INPEX 経営企画本部 広報・IRユニット 広報グループ Tel:03-5572-0750
住友大阪セメント株式会社 企画部 Tel:03-6370-2725