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ニュースリリース

2025年01月15日

CO2再資源化人工石灰石を利用した世界初の路面標示用塗料を開発 ~大阪・関西万博アクセスルート「未来社会の実験場」に施工へ~

 住友大阪セメント株式会社(社長:諸橋央典、本社:東京都港区)は、株式会社キクテック(社長:新美政衛、本社:名古屋市南区)と共同で、CO2排出削減と埋立処分場の延命を兼ね備え、地球温暖化抑制と循環型社会の実現に貢献できるシステムを持った「CO2再資源化人工石灰石を利用した路面標示※1用塗料」(以下、本製品)の開発に成功しました。

1.開発の背景
 当社は2022年2月より、NEDOのグリーンイノベーション基金事業「CO2用いたコンクリート等製造技術開発」プロジェクトの一環である「多様なカルシウム源を用いた炭酸塩化技術の確立」の幹事会社として技術開発に取り組んでおり、高品位なCO2再資源化人工石灰石の生成に成功、実用化に向け様々な利用方法を検討しています。
 株式会社キクテックは2024年3月に、大阪市の公募する「未来社会の実験場」の事業公募に採択され、2025年開催の大阪・関西万博へのアクセスルートとなる、淀川左岸線(2)の建設中区間にて「路面標示用塗料の屋外環境下における実用性検証」に取り組んでおり、2025年1月~10月の間、当社が製造したCO2再資源化人工石灰石を用いた路面標示塗料を施工し、現行製品との比較試験を実施する予定です。

2.開発の成果
 本製品のサーキュラーエコノミーシステムは、製造・施工・消去時に発生する路面標示用塗料の廃棄物を人工石灰石の原料とし、新たな路面標示用塗料の材料として再利用することで「CO2排出削減」と「埋立処分場の延命効果」を同時に得られる、革新的なシステムです。


1 路面標示用塗料を用いたサーキュラーエコノミーシステム

(1)サーキュラーエコノミーシステムによる「埋立処分場の延命」
 現在、日本では埋め立て処分場の不足が深刻な問題となっており、廃棄物のリサイクル・減量化が急務となっています。
 CO2再資源化人工石灰石は、原料にカルシウムを含んだ廃棄物を利用します。路面標示用塗料の施工・消去等に発生する塗料廃棄物は、現在は有効利用されていませんが、本システムではこれを回収し、CO2と反応させることで再び人工石灰石を製造でき、埋立処分場の延命に貢献できます。

(2)路面標示用塗料の製造過程における「CO2排出削減」
 今般の路面標示用塗料は、製造時に充填材として使用する天然由来の炭酸カルシウムの一部をCO2再資源化人工石灰石に置き換えた製品となります。CO2再資源化人工石灰石は1kgあたり約420gCO2を鉱物固定しています。鉱物固定されたCO2は大気中に放出されることはなく、供用後の本製品が摩耗、また自然損耗した後も半永久的に固定されます。
 このCO2再資源化人工石灰石を路面標示用塗料へ適用することで、発色や耐久性など性能面はこれまでの製品と遜色なく、道路分野における「CO2排出削減」が可能となります。

3.今後の展望
 当社と株式会社キクテックは、2025年1月より大阪・関西万博へのアクセスルートで本製品の実証試験を行い、この路面標示用塗料の利用用途についてさらなる検討を進めて市場に展開、社会全体でのカーボンニュートラル達成に寄与することを目指します。
 また、当社は『環境解決企業』として業界トップクラスの環境・材料技術を結集し、当社グループの掲げる 2050 年カーボンニュートラルに向けた取組み方針「SOCN2050」のロードマップに基づいた多様な排出削減への施策の遂行と、中長期経営計画 「SOC Vision2035」の達成の為、新たな「SOC カーボンビジネス」の創出を継続的かつ着実に実行してまいります。


2 試作サンプル(左:一般品 右:本製品)          図3 施工の様子

以上

※1 路面標示  :道路の停止線や横断歩道、車道を区切るための線など
※2 NEDO   :国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

【PDF版リンク】
 プレスリリース(CO2再資源化人工石灰石を利用した世界初の路面標示用塗料を開発)

【本件の製品に関するお問い合わせ先】
 住友大阪セメント株式会社 セメント・コンクリート研究所 TEL 047-457-0197
 株式会社キクテック FB統括部 TEL 0569-48-8531

【本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先】
 住友大阪セメント株式会社 企画部 TEL 03-6370-2725
 株式会社キクテック FB統括部 TEL 0569-48-8531

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