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ニュースリリース

2024年08月23日

「大阪府万博会場周辺海域ブルーカーボン生態系創出事業補助金」公募への採択決定 ~「豊かな大阪湾」実現に向け、藻場創出~

 住友大阪セメント株式会社(社長:諸橋央典、本社:東京都港区)は、グループ会社の株式会社SNC(社長:二川敏明、本社:福岡県糟屋郡、以下SNC)と共に、「大阪府万博会場周辺海域ブルーカーボン生態系創出事業補助金」(以下、本事業)公募へ応募し、2024年8月6日に採択されましたのでお知らせします。

 本事業は大阪府が推進する、「豊かな大阪湾」の実現に向け大阪湾沿岸を藻場などで取り囲む「大阪湾MOBAリンク構想」の取り組みの一つで、2025年の大阪・関西万博開催にあわせて万博会場周辺海域にブルーカーボン生態系を創出し、万博等の機会に大阪湾における取組を国内外に発信するため、会場周辺海域の護岸において藻場の創出に取り組むものです。

 当社は、20年以上前より独自の磯焼け対策製品を開発・事業展開し、海洋環境の保全に取り組んでいます。磯焼け対策製品としての藻場増殖礁の沈設実績は4,000基以上、その中核技術の一つである着脱式藻場増殖プレートは30万枚以上の納入実績があります。今般、当社グループで地道に培ってきた藻場造成の知見を活かし、大阪湾MOBAリンク構想に貢献すべく公募へ応募し、採択されました。

【藻場創出事業の概要】
 近年、地球温暖化の影響により海水温が上昇し、植食性魚類が活発化したことにより藻場が消失する「磯焼け」現象が全国で発生しています。本事業では、当社独自の技術である、種糸を筏で中間育成し、食害にも耐えられるようある程度成長した海藻の幼体を移植することよる確実な藻場造成を実施します。


1 中間育成概要図

 中間育成した着脱式藻場増殖プレートは、固定用のネジのついたネジ付き専用鉄板を用いて、消波ブロックへ固定します。この手法は県営事業や交付金事業などでも実施例があり、中間育成した海藻が成体となり、周辺の岩場へ藻場が拡大している様子も確認されています。


図2 ネジ付き専用鉄板を用いた藻場造成の実施例(写真は鳥取県より提供)

 また、本事業では、株式会社カネカ(社長:藤井一彦、東京本社:東京都港区)とレンゴー株式会社(社長:川本洋祐、本社:大阪府大阪市北区)の協力のもと、地元の種糸生産会社である有限会社うずしお食品(社長:後藤弘樹、本社:徳島県鳴門市)と向海産(代表者:向直洋、本社:徳島県鳴門市)や研究機関である徳島県立農林水産総合技術支援センター(所長:尾形幸彦、所在地:徳島県名西郡石井町)とも連携しながら、設置する着脱式藻場増殖プレートと種糸の一部に、最先端の海洋生分解性素材を利用します。環境負荷低減の観点から、本事業では石油由来ではなく、全て天然由来の素材を使用しており、海洋中の微生物によってゆっくりと分解され無害化されます。


図3 海洋生分解性素材概要

【今後の展望】
 政府は、2022年度の我が国の温室効果ガス排出・吸収量について、世界で初めて海草藻場及び海藻藻場における吸収量を合わせて算定し、国連へ報告しました。今後、TNFDへの対応や、ブルーカーボン生態系保全の需要が高まることが予想され、効率性と環境負荷低減を両立したブルーカーボン生態系保全手法が望まれる状況です。

 当社は、本事業で得た情報を蓄積・分析し、より効率的かつ環境負荷を低減した藻場造成に取り組み、豊かな藻場再生とブルーカーボン創出と共に、深刻化する海洋プラスチック問題の解決にも貢献できる『ネイチャーポジティブ企業』を目指します。

 以上

【PDF版リンク】
 プレスリリース(「大阪府万博会場周辺海域ブルーカーボン生態系創出事業補助金」公募への採択決定)

【報道関係者問い合わせ先】
 企画部 TEL 03-6370-2725 FAX 03-6370-2756
【本技術に関する問い合わせ先】
 セメント・コンクリート研究所 TEL 047-457-0185 FAX 047-457-7871

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