複合型ケイ酸塩系鉄筋防錆材「リフレ防錆コートＺＮ」新発売のお知らせ
住友大阪セメント株式会社（社長：諸橋央典、本社：東京都港区）は、複合型ケイ酸塩系鉄筋防錆材「リフレ防錆コートＺＮ」を製品化し、2023年4月に発売開始しましたので、お知らせいたします。
本製品は、ケイ酸塩溶液と亜鉛粉末（Zn）を用いた鉄筋防錆材です。特殊なケイ酸塩溶液により鋼材と良好な付着力を有し、大気中に露出した鋼材への防錆効果も確認されております。また、コンクリート及びモルタル中の鋼材においては、未補修部分が局所的に劣化するマクロセル腐食※1抑制効果もあります。
水性塗料のように塗布性に優れ、塗布困難な鉄筋背面への施工も容易です。また速乾性を有し、塗布が容易で施工性に優れるため、次工程へ直ぐに移行可能となり工期短縮を図れます。
これまで塩害に対するコンクリート中の鉄筋防錆材及び、防錆材入り断面修復材は、「亜硝酸リチウム」を原料として使用していました。しかしながら、リチウムイオンバッテリーの需要増加などの社会的情勢を受け、原料の価格暴騰や需要が国内製造量を上回ったことにより、製品の安定供給が難しくなってきました。本製品はそれに代わる鉄筋防錆材として、亜鉛粉末（Zn）を防錆主材として用いることにより、従来品と同等以上の防錆効果を発揮し、かつ安定的に供給が可能な製品です。
本製品の開発は、鹿児島大学工学部の海洋土木工学プログラムが運用する海洋暴露試験場を用いて、同大学の山口明伸教授、小池賢太郎助教との共同研究により評価しました。鉄筋を塩害環境下に2年間暴露した結果、無塗装鉄筋は全面に錆が生じ、水性エポキシ塗装※2でも一部に錆が生じたものの、本製品では発錆は見られませんでした。防錆効果以外の長所として、水性塗料のように塗りやすく、速乾性があり塗布後も無機系のため、紫外線などによる劣化が生じません。
当社は、今後もインフラ設備におけるコンクリート構造物の維持補修・長寿命化への技術として高耐久を目的とした材料の提供を行っていきます。
荷姿：3kg/缶
設計価格：41,000円/缶
1m²あたり材料価格：2,867円
特長：１）高い防錆性を有し、大気中に曝された鋼材にも適用可能
２）水性塗料と同様の良好な塗布性
３）鉄筋及び断面修復材に対して高い付着力が得られる
※1 マクロセル腐食：鉄筋の置かれる環境が均一ではなく、コンクリートのpHあるいは含有塩化物イオン量等が異なる境界で生じる腐食形態。一般的に、断面修復部と既存コンクリートの界面に生じ、コンクリート構造物で問題となっている現象。
※2 水性エポキシ塗装：一般的に鋼材腐食防止のために用いられる塗料。一液性で作業性に優れる。塗膜により酸素と水の供給を遮断することによって、防錆する。
リフレ防錆コートＺＮ
以上
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