「2050年カーボンニュートラル」に向けた取り組みについて
住友大阪セメント株式会社(社長:関根福一、本社:東京都千代田区)は、「2050年カーボンニュートラル」に向けた具体的な中期目標並びに長期取組方針を策定しましたのでお知らせ致します。
政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「2050年カーボンニュートラル」、脱炭素社会の実現を目指しています。セメント製造で発生するCO₂には、セメント焼成に必要なエネルギー起源CO₂と主原料の石灰石から発生するプロセス由来CO₂がありますが、当社グループにおいても、政府方針に沿い、2050年までのあらゆる方策を通じて、当社グループのCO₂排出をカーボンニュートラルにすることに挑戦するとともに、サプライチェーンを通じて社会全体の脱炭素化への貢献をするため、次の取り組みを進めてまいります。
1.2030年のエネルギー起源CO₂排出原単位*¹を▲30%削減(2005年比)
1)化石エネルギー代替率*²全5工場8キルン平均で50%(現状28%)達成
(うち4キルンでは80%達成)による削減
2)最新鋭省エネルギー設備導入による使用電力削減
3)木質チップなどバイオマス燃料増量により自家発電で使用する化石エネルギー削減
2.2050年カーボンニュートラルに向けた取組方針
1)セメント製造におけるエネルギー起源CO₂およびプロセス由来CO₂*³排出量
「実質ゼロ」への挑戦
- ① 化石エネルギーの限界までの削減
- ② プロセス由来CO₂排出削減技術の開発・導入
- ③ 使用電力のカーボンフリー化
- ④ 低炭素セメント・コンクリート製品に係る技術開発・供給拡大
- ⑤ 革新的結合材料の開発・供給
⑥ CCUS*⁴に係る革新的技術の開発・導入
2)サプライチェーンを通じたCO2排出削減・社会全体の脱炭素化への貢献 ① 輸送部門やオフィス部門でのCO2排出削減推進 ② 高機能品事業分野の製品による省エネルギーへの貢献 ③ 新規高機能材料の開発による脱炭素社会化への貢献
当社グループのセメント工場は、これまで培ったリサイクル利用技術やその調達の最適化により国内トップクラスの化石エネルギー代替率及びリサイクル品使用原単位を実現しています。加えて、国内外の先端省エネルギー基幹設備やバイオマス自家発電設備をいち早く導入するなど、従来よりセメント製造に係る温室効果ガス排出の削減に積極的に取り組んできました。今後は、2030年の目標達成に向け、上記1.の取り組みを着実に実行してまいります。
「2050年カーボンニュートラル」を実現するには、従来の取り組みの延長だけではなく、抜本的排出削減を可能とするために、革新的技術の開発・導入や事業基盤の革新などのイノベーションが不可欠です。当社グループでの革新技術の開発・導入に取り組むとともに、水素利用等の社会変革も見据えたあらゆる方策を事業基盤に取り入れ、「2050年カーボンニュートラル」に挑戦してまいります。
以 上
*1 エネルギー起源CO2排出原単位 温暖化対策推進法に基づき算出したセメント製造由来のエネルギー(熱/電力)起源CO2排出量をセメント生産量で除したもの(kg–CO2/t-セメント)
*2 化石エネルギー代替率 セメント製造に伴う全熱エネルギーのうち化石エネルギー代替(バイオマス・廃棄物等リサイクル品由来エネルギー)の使用割合
*3 プロセス由来CO2 セメントの主原料である石灰石の炭酸カルシウム(CaCO3)がセメントの必須化合物である酸化カルシウム(CaO)に化学変換される反応過程で発生するCO2 「CaCO3(炭酸カルシウム)→CaO(酸化カルシウム)+CO2(二酸化炭素)」
*4 CCUS CO₂の回収(Capture)・利用(Utilization)・貯留(Storage)
【本件に関する問い合わせ先】 総務部IR広報グループ TEL 03-5211-4505 FAX 03-3221-4651