コーポレートガバナンスは、企業経営を規律する仕組みであり、その目的は、経営の効率性を向上させるとともに、経営の健全性と透明性を確保することにより継続的な企業価値の増大を実現させることと考えます。よって、住友大阪セメントグループは、その充実を経営上の最重要課題と位置付けています。
また、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図る為に、「住友大阪セメントコーポレートガバナンス基本方針」を定めています。
会社の機関および内部統制システムの整備状況
取締役会、執行役員
取締役会は、社外取締役3名を含む取締役9名から構成されており、毎月1回以上、取締役会を開催し、経営上の重要事項の決定を行うとともに業務執行状況の報告を受けています。また、2006年6月より、経営における意思決定・監督機能と執行機能を分離し、各々の機能の強化や意思決定の迅速化と権限・責任の明確化により経営の効率化を図る為、「執行役員制度」を導入しています。
監査役会
監査役会は、監査役5名から構成されており、うち3名は社外監査役です。監査役は、毎月1回以上、監査役会を開催するとともに、取締役会を含む重要会議に出席しています。
指名・報酬委員会
取締役および執行役員の報酬について水準の妥当性および業績評価の客観性・透明性を確保する為、また、取締役および執行役員の人事についても報酬同様に客観性・透明性を確保する為に、2016年1月に取締役会の諮問機関として報酬委員会を設置し、その後、2018年1月から、取締役会の諮問機関として指名・報酬委員会を設置しています。
委員会は、委員の過半数を社外取締役および必要に応じて加える独立性のある社外有識者をもって組織するものとし、委員長は委員の互選により選任しています。2023年度の委員長は稲川龍也(社外取締役)となっています。委員会では、取締役候補者の指名、執行役員の選解任、会長・社長などの後継者計画・選解任ならびに取締役・執行役員の報酬の決定に関する方針および報酬案について審議を行い、取締役会に対して答申を行っています。
2021年6月からは、社長、社外取締役3名および社外有識者1名の計5名で構成されています。
なお、2023年度については、指名・報酬委員会を1回開催し、委員 諸橋 央典(代表取締役・取締役社長)、委員 牧野 光子(社外取締役)、委員 稲川 龍也(社外取締役)、委員 森戸 義美(社外取締役)、委員 高橋 進(社外有識者)の5名が出席しました。
委員 | 諸橋 央典 | 当社代表取締役 取締役社長 |
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委員 | 牧野 光子 | 当社社外取締役 |
委員 | 稲川 龍也 | 当社社外取締役 |
委員 | 森戸 義美 | 当社社外取締役 |
委員 | 高橋 進 | 株式会社日本総合研究所 チェアマン・エメリタス(名誉会長) |
内部監査部
住友大阪セメントグループの業務活動および諸制度に関し、内部監査を行うことを目的として社長直属の内部監査部を設置しています。
内部監査部は、年間監査計画に基づき、定期的に当社の複数部門および子会社に対して内部統制監査や環境監査をそれぞれ実施しており、必要に応じて監査役と合同監査を実施しています。
監査結果および監査指摘事項に対する改善状況などは、監査報告書を作成し、代表取締役、取締役および監査役に対して、適宜報告を行っています。また、監査指摘事項に関しては定期的に改善状況を確認し、是正が完了するまで追跡調査を実施しています。
各委員会への出席状況(2023年度実績)
役職名 | 氏名 | 出席回数 | |
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取締役会 | 監査役会 | ||
取締役 | 関根 福一 | 16/16(出席率100%) | - |
諸橋 央典 | 16/16(出席率100%) | - | |
土井 良治 | 16/16(出席率100%) | - | |
関本 正毅 | 16/16(出席率100%) | - | |
大西 利彦 | 16/16(出席率100%) | - | |
小西 幹郎 | 16/16(出席率100%) | - | |
社外取締役 | 牧野 光子 | 16/16(出席率100%) | - |
稲川 龍也 | 16/16(出席率100%) | - | |
森戸 義美 | 16/16(出席率100%) | - | |
監査役 | 伊藤 要 | 16/16(出席率100%) | 13/13(出席率100%) |
起塚 岳哉*1 | 13/13(出席率100%) | 10/10(出席率100%) | |
髙瀨 芳章*2 | 3/3(出席率100%) | 3/3(出席率100%) | |
社外監査役 | 保坂 庄司 | 16/16(出席率100%) | 13/13(出席率100%) |
鈴木 和男 | 16/16(出席率100%) | 13/13(出席率100%) | |
三井 拓 | 16/16(出席率100%) | 13/13(出席率100%) |
*2 髙瀨芳章は、2023年6月28日をもって監査役を退任した為、出席対象となる取締役会、監査役会の回数がほかの役員とは異なります。



2006年 | 「執行役員制度」を導入 |
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2008年 | 社外取締役1名を初めて招聘 |
2015年 | 社外取締役を2名に増員 「住友大阪セメント コーポレートガバナンス基本方針」を制定 |
2016年 | 報酬委員会を設置 |
2018年 | 指名・報酬委員会を設置 |
2019年 | 指名・報酬委員会を、社長、社外取締役2名および社外有識者1名の計4名で構成 |
2021年 | 社外取締役を3名に増員 指名・報酬委員会を、社長、社外取締役3名および社外有識者1名の計5名で構成 |
取締役会の実効性評価
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1評価目的
当社は、事業活動を通じた社会課題への取り組みにより、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るにあたり、経営の健全性・透明性を確保するとともに、意思決定の迅速化に資するガバナンス体制の構築を重視し、「住友大阪セメント コーポレートガバナンス基本方針」を定めており、同方針に基づき毎年取締役会全体の実効性について分析および評価を行い、その結果の概要を開示することとしています。
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2評価の方法
2023年度は、取締役会およびその諮問委員会である指名・報酬委員会がステークホルダーから期待される役割を果たしていること、これまでのコーポレートガバナンスの強化への取り組みの成果を振り返りつつ、中長期ビジョン「SOC Vision2035」およびこれに基づく「2023–25年度中期経営計画」の実現に向け、取締役会が更に実効的に貢献する為の取り組みを把握する為、2024年3月から5月までの期間において、アンケート調査とインタビューを実施しました。
当年度は、これらのテーマにかかる評価の客観性を担保する為、外部機関を活用しました。
評価は全ての取締役および監査役を対象にしたアンケートを行い、2023年度の取締役会議長、代表取締役ならびに社外取締役および社外監査役(以下「社外役員」)に対してインタビューを行い、外部コンサルタントによる分析結果に基づいて取締役会において審議を行いました。 -
3評価結果の概要
評価の結果、取締役会は、多様な知識、経験を有する社外役員が参画し、当社の持続的な成長に向け、積極的に貢献の姿勢を有し、経営陣も社外役員の客観的な視点を尊重し、真摯に対応していることが確認されました。また、課題であった社外役員との情報連携の強化などの取り組みが積み重ねられ、経営陣と社外役員の信頼に基づく、適切な緊張関係が醸成され、実効的に機能していることが確認できました。
一方で、更なる取締役会の実効性の向上に向け、以下の事項が期待されていることが確認されました。- (ⅰ)中期経営計画の進捗確認、中長期ビジョンの実現に向けた取り組み状況について、継続的に議論を深めていく。
- (ⅱ)持続可能性、中長期ビジョンの実現の観点から「人的資本」にかかる議論の機会を設ける。
- (ⅲ)取締役会の運営について、執行からの業績報告や付議議案の適切性について、改善に向けた検討を行う。
-
4今後の取り組み方針
今後、これらの期待を踏まえ、取締役会がより実効的に機能できるよう、改善活動に努めていきます。
取締役のスキル・マトリックス
氏名 | 会社における地位 | 知識・経験・能力等 | ||||||||
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企業経営 | 財務・ 会計 |
海外 | 人事・ 労務・ 安全衛生 |
生産・ 技術 |
研究開発 | 営業・ マーケティング |
法務・ コンプライアンス・ リスク管理 |
環境・ サステナビリティ |
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関根 福一 | 取締役会長 | ● | ● | ● | ● | ● | ||||
諸橋 央典 | 代表取締役 取締役社長 |
● | ● | ● | ● | ● | ● | |||
土井 良治 | 代表取締役 取締役専務執行役員 |
● | ● | ● | ● | ● | ● | |||
関本 正毅 | 取締役 専務執行役員 |
● | ● | ● | ● | ● | ||||
小野 昭彦 | 取締役 常務執行役員 |
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
福嶋 達雄 | 取締役 常務執行役員 |
● | ● | ● | ● | |||||
牧野 光子 | 社外取締役 | ● | ● | |||||||
稲川 龍也 | 社外取締役 | ● | ● | |||||||
森戸 義美 | 社外取締役 | ● | ● | ● | ● | ● |
反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方およびその整備状況
当社グループは、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対しては毅然とした対応を行い、一切関係を持ちません。
この基本方針に基づき、総務部を対応統轄部署として情報収集を行うとともに、必要に応じ警察、弁護士等と連携して組織的に対応することとしています。
贈収賄・腐敗防止に向けた基本的な考え方と取り組み状況
当社グループでは社内コンプライアンスマニュアルにおいて、外国人公務員も含めた公務員への贈賄・贈答等の禁止、取引先への接待・贈答等は内容を十分に吟味して行わなければならない旨を明記しており、社内イントラネットでのマニュアルの公開とeラーニングによるコンプライアンス教育を定期的に行うことで周知徹底を行っています。