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Recycle リサイクルされる廃棄物や副産物

リサイクル工場としても重要な役割を持つセメント工場。
住友大阪セメントでは2023年度にのべ477万5千tの廃棄物や副産物を再利用し、
天然資源の保全や、埋め立て処分場の延命に貢献しています。
ここでは、主な13項目の廃棄物や副産物についてご紹介します。

石炭灰

セメント原料として活用

天然の資源である粘土の代替としてセメントの原料にリサイクルしています。日本全国のセメント工場では年間約684万tが再利用されるなど、リサイクルされる廃棄物・副産物の中で最大量をほこります。

直近の使用実績(2023年度)

1,483,000t

※ばいじん・燃えがら計

どこから発生する?

全国の石炭火力発電所で、電気を生み出すために石炭を燃やす過程で発生します。

どのようなもの?

主な成分は二酸化ケイ素(SiO2)と酸化アルミニウム(AI2O3)で、硬度や耐久性を高める効果があります。また粉状でとても細かいのが特徴で、密閉タイプの車両や船舶で輸送します。

石炭灰はどのように発生する?

横にスクロールしてご覧いただけます。

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石炭火力発電所で発電

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電気だけでなく石炭灰が発生

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電気は街へ、石炭灰はセメントの原料などに活用

下水汚泥おでい

セメント原料として活用

天然の資源である粘土の代替としてセメントの原料にリサイクルしており、日本全国のセメント工場では年間約80万tが再利用されています。

直近の使用実績(2023年度)

453,000t

※その他汚泥おでい含む

どこから発生する?

全国の下水処理場です。一般家庭のトイレやお風呂のほか、工場、商業施設、公共施設などで発生した汚水を処理する過程で発生します。

どのようなもの?

二酸化ケイ素(SiO2)や酸化カルシウム(CaO)を多く含み、粘土によく似た成分から成っています。下水汚泥おでいに含まれるさまざまな成分は、セメントをつくる焼成しょうせい工程こうていで1450℃以上に熱することで無害化され、二次廃棄物も発生しません。

下水汚泥おでいはどのように発生する?

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家庭や工場などで
汚水が発生

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下水処理場にて処理

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廃棄物として下水汚泥おでいが発生

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セメントの原料などに活用

こうさい

セメント原料として活用

別名スラグ(かす)とも呼ばれ、天然の資源である粘土やけい石の代替としてセメントの原料にリサイクルしています。

直近の使用実績(2023年度)

1,155,000t

どこから発生する?

全国の製鉄所や製錬所です。高炉と呼ばれる高温の設備を用いて、鉄鉱石から鉄や銅、鉛などの金属を取り出す時に発生します。

どのようなもの?

鉱石を溶かした後の不純物が冷却されて固まったもので、細かい石のような形をしています。こうさいに含まれるさまざまな成分は、セメントをつくる焼成しょうせい工程こうていで1450℃以上に熱することで無害化され、二次廃棄物も発生しません。

こうさいはどのように発生する?

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製鉄所や製錬所の高炉で、鉄鉱石から金属を取り出す

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廃棄物・副産物としてこうさいが発生

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セメントの原料などに活用

建設発生土・建設汚泥おでい

セメント原料として活用

従来は埋め立て処分されることが多かったものの、現在は天然の資源である粘土の代替としてセメントの原料にリサイクルしています。そのほか工場跡地などで生じる汚染土壌(環境基準を超えたもの)についても無害化の上、積極的に受け入れ利用しています。

直近の使用実績(2023年度)

230,000t

どこから発生する?

ビルや住宅などの建設工事や、トンネルの掘削くっさくなどの土木工事の現場で発生します。

どのようなもの?

いわゆる土砂ですが、土の塊や木の根などの異物が混入している場合があるため、ふるいにかけてそれらの異物をしっかりと取り除いてから使用します。

廃プラスチック

熱エネルギーとして活用

廃プラスチックを焼却する時に発生する熱を、セメントをつくる焼成しょうせい工程こうていの熱エネルギーとしてリサイクルしており、日本全国のセメント工場では年間約78万tが再利用されています。

直近の使用実績(2023年度)

83,000t

どこから発生する?

工場から出る端材はざいや、ペットボトルやお菓子、洗剤の包装容器などを捨てる時に発生します。また処分された自動車からも多くの廃プラスチックを回収しています。

どのようなもの?

細かく破砕はさいされたもののほか、立方体に梱包(ベール状)された廃プラスチックの塊は、金属などの異物を除去して細かく破砕はさいしたのち使用しています。

木くず

熱エネルギーとして活用

木くずを焼却する時に発生する熱を、セメントをつくる焼成しょうせい工程こうていや、セメント工場内の発電に用いる熱エネルギーとしてリサイクルしています。

直近の使用実績(2023年度)

407,000t

どこから発生する?

ビルや住宅など建物の解体現場をはじめ、家具や建築材などの木工製品をつくる工場、森林環境を健全に保つための間伐かんばつ業現場など、さまざまな場所で発生します。

どのようなもの?

いわゆる端材はざいや廃材といった木のくずです。住友大阪セメントでは木くずの中でも主に、細かく破砕はさいされた木質チップやおが粉を使用しています。

再生油

熱エネルギーとして活用

再生油とは、使用済みエンジンオイルや機械油などの潤滑油をはじめ、半導体製造時の洗浄に使用される溶剤などから、不要な異物を分離・除去して、成分を調整したもの。その再生油を焼却する時に発生する熱を、セメントをつくる焼成しょうせい工程こうていの熱エネルギーとしてリサイクルしています。

直近の使用実績(2023年度)

218,000t

※廃液を含む

どこから発生する?

エンジンオイルを交換するガソリンスタンドや、自動車の修理をする自動車整備工場、工業機械を用いる工場、半導体製造工場や化学工場などから使用済み油が発生し、中間処理施設で再生油がつくられます。

どのようなもの?

サラダ油よりもサラサラとしており、茶色や黒色のものが多いのが特徴です。

ごみ焼却灰

セメント原料として活用

天然の資源である石灰石の代替としてセメントの原料にリサイクルしています。国土が狭く埋め立て処分場が限られた日本で、その延命に重要な役割を果たしています。

直近の使用実績(2023年度)

1,483,000t

※ばいじん・燃えがら計

どこから発生する?

各自治体の清掃工場に集まった家庭ごみを、焼却処理する過程で発生します。

どのようなもの?

似ているものとして石炭火力発電所で発生する石炭灰が挙げられますが、水分をより多く含むため砂のような形をしています。またカルシウム(Ca)が多く含まれ、セメントづくりに欠かせない石灰石の削減に大きく貢献しています。

ごみ焼却灰はどのように発生する?

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家庭ごみが各自治体の清掃工場に集まる

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ボイラーで焼却処理され、ごみ焼却灰が発生

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ごみ焼却灰はセメントの原料として活用

廃白土はいはくど

熱エネルギーとして活用

残りはセメント原料として活用

廃白土はいはくどとは、食用油や洗剤油脂の脱色に使う活性白土の廃棄物や、工場などから出る油分を含んだ汚泥おでいなどのこと。廃白土はいはくどを焼却する時に発生する熱を、セメントをつくる焼成しょうせい工程こうていの熱エネルギーとして使用しているほか、燃えた後の灰の成分も粘土の代替としてセメントの原料にリサイクルしています。

直近の使用実績(2023年度)

236,000t

どこから発生する?

食品工場で食用油を脱色する際や、化学工場で工業油や化学品を精製する過程などで発生します。

どのようなもの?

油混じりの土です。油分と水分が含まれているため、そのまま埋め立てると油分がにじみ出てきてしまうなど、処理の難しい廃棄物とされています。

サイディング材

セメント原料として活用

サイディング材とは、建物の外壁に使用する板状の仕上げ材のこと。近年は国内の約8割以上の住宅に使われており、天然の資源の代替としてセメントの原料にリサイクルしています。

どこから発生する?

サイディング材を製造する工場で規格外品として発生するほか、戸建て住宅、店舗、倉庫、オフィスなどの新築工事の現場で余った端材はざいとして発生します。また、さまざまな建物の解体工事の現場でも発生します。

どのようなもの?

主なサイディング材である窯業系ようぎょうけいサイディング材は、セメントが主成分でありカルシウム(Ca)が多く含まれることから、セメントづくりに欠かせない石灰石の代替として利用しています。

廃液(廃酸・廃アルカリ)

廃液とは産業廃棄物として排出される液体の総称です。セメントをつくる焼成しょうせい工程こうていで1450℃以上に熱することで無害化し、二次廃棄物も発生しません。

直近の使用実績(2023年度)

218,000t

※再生油を含む

どこから発生する?

あらゆる産業活動で発生します。例えば、廃酸は化学工業や電気機械業、鉄鋼業の製品を製造する過程などで発生し、廃アルカリは紙パルプや石鹸の製造工場や清掃工場などで発生します。

どのようなもの?

pH7(中性)未満の酸性の廃液を廃酸、pH7を超えるアルカリ性の廃液を廃アルカリと呼びます。

廃タイヤ

熱エネルギーとして活用

中古タイヤや再生タイヤとしてリユース・リサイクルすることができなくなった廃タイヤは、セメントをつくる焼成しょうせい工程こうていの熱エネルギーとしてリサイクルしています。さらに廃タイヤを破砕はさいし、自家発電の熱エネルギーとしても利用することでCO2削減を実現しています。

どこから発生する?

タイヤ取り替え時や廃車時に発生します。国内の廃タイヤの総量は年間およそ100万tです。

どのようなもの?

自家発電の熱エネルギーとして利用する際は、細かく破砕はさいしたものを使います。焼成しょうせいする時の熱エネルギーは約7,500kcal/kgであり、石炭などと比べてとても高いのが特徴です。

災害廃棄物

セメント原料または熱エネルギーとして活用

住友大阪セメントグループは、日本各地で発生した災害廃棄物を受け入れ、セメント製造の原料や熱エネルギーとして再資源化を行っています。災害廃棄物の受け入れを通して、被災地域の復旧・復興への支援をするとともに、災害廃棄物を再資源化し製造したセメントを供給し、復興資材や堤防といった、自然災害を防災・減災するインフラ構築に使っていただくことで社会貢献に努めています。

累積受け入れ実績

200,000t

どこから発生する?

地震や津波で建物が倒壊した現場や、台風や豪雨、洪水で土砂が流出した現場、船舶が座礁した現場など、さまざまな災害地で発生します。2011年に発生した東日本大震災をはじめ、これまでにさまざまな災害地の災害廃棄物を受け入れています。

どのようなもの?

がれき、畳、かわら、木くず、コンクリート、土砂、汚泥おでい、廃プラスチックなど多岐にわたります。それらの災害廃棄物に含まれるさまざまな成分は、セメントをつくる焼成しょうせい工程こうていで1450℃以上に熱することで無害化され、二次廃棄物も発生しません。

日本全国の災害廃棄物を受け入れているよ