Story セメントに生まれ変わる道のり



家庭や産業、自治体で生じるさまざまな廃棄物や副産物。
それらがセメントをつくるどの工程でどのように使われ、
私たちの暮らしを支えるセメントへと生まれ変わっているのでしょうか。
未来を見すえた「さすてなセメント」が誕生する物語が始まります。
原料工程
石灰石やけい石、鉄原料といった天然の資源のほかに、石炭火力発電所から出る石炭灰、下水処理場で発生する下水汚泥、建設工事や土木工事の現場で生じる建設発生土や建設汚泥など、さまざまな廃棄物や副産物を乾燥させ、細かく砕き、均一に混ぜ合わせてセメントの原料をつくります。その原料として欠かせない天然の資源である粘土はすべて、代替として廃棄物や副産物を利用しています。

焼成工程
粉状に細かくなった原料はプレヒーター(余熱装置)を通り、ロータリーキルン(回転窯)に送り込まれて1450℃以上の高温で焼成され、セメントのもとになる塊状のセメントクリンカが出来上がります。セメントクリンカを冷却した熱は回収し、回転窯、余熱装置、原料乾燥等で使い、焼成に使用した熱エネルギーの80%は有効利用されています。焼成に欠かせない熱エネルギーの多くは家庭や工場から出る廃プラスチックや廃油といった廃棄物などからの熱エネルギーに代替しています。

仕上工程
焼成工程でできあがったセメントクリンカに、セメントが固まる速さを調整するための石こうを加え、仕上げミルで細かく砕くことによって粉状になったセメントが完成します。また混合セメントをつくる時には、製鉄所や製錬所で生じる鉱さい(スラグ)などの副産物を加えます。住友大阪セメントでは、2023年度にのべ885万tのセメントを生産しました
