光電子関連 光送受信機CATV用・FTTH用

光ソリューションのご提案

1.光ソリューションの紹介

1.1 光ソリューションの提案

図1 光ファイバを用いた無線伝送システムのイメージ

無線需要の増加に伴い世の中に様々な電波が氾濫する中、無線通信の分野では利用周波数の再整備や新しい周波数資源の開拓、あるいは周波数利用効率のよい変調方式の実用化等が試みられています。

一方,光ファイバ通信の分野では、これまで主流のOOK伝送方式をベースにしたコアネットワーク系の光伝送から、伝送容量の大容量化に伴う障壁をクリアするための伝送方式(DPSK/DQPSK伝送方式あるいは16QAM伝送方式)への技術移行が試みられています。

システムの成熟度を考えますと、無線通信は光通信に比べ一日の長がありますが、光ファイバ通信は無線通信では実現不可能な技術を保有しています。「光ファイバ」という無誘導・低ロスな光伝送路の存在です。無線システムを構築する場合、同軸あるいは導波管等の電気のケーブルでRF信号をやり取りする場所があると思います。この電気のケーブルを使用することによって次のような課題が発生し、システムを構築する際にお悩みになった方もおられるかと思います。

① 伝送路の周波数依存性を抑えたい。
② ケーブル敷設工事を容易にしたい。
③ 余剰スペースの少ない管路を有効活用したい。
④ 管路内でのケーブル間クロストークを抑えたい。
⑤ ケーブル経由での落雷雑音の混入を抑えたい。

当社は、既存の無線システムに光ファイバを活用した光システムを追加することによって、既存システムでは克服できなかった上記課題を解決出来る光ソリューションをご提案いたします。図1は、数十m~数十km離れていてるリモートアンテナと運用室の間をケーブルで接続する場合の光ソリューションです。RF信号を光ファイバ経由で遠隔地へ送ることが出来ます。

1.2 光ソリューションの特長

表1 同軸ソリューションと光ソリューションの比較

  同軸ソリューション 光ソリューション
RF信号
伝送特性
○:短距離 ○:短距離~長距離
×:長距離  
・伝送ロス:160dB/km程度@400MHz ・光ロス:0.3~0.4[dB/km]程度
・周波数:~5GH程度.高周波数で損失大 RF換算ロス:2×光ロス[dB]
・アンプ:距離に応じて使用 ・周波数::依存性ロス 小
  ・アンプ:送受側で使用必須
システム
コスト
○:伝送距離<300m ×:伝送距離<300m
・安価 ・光装置の分コストアップ
△:300~500m △:300~500m
・光ソリューションと同等 ・-
×:>500m ○:>500m
・ケーブル,施工,アンプ費用増 ・ケーブル安価,施工容易,アンプ不要
施工性 ×
・外径:1芯で≒10mm程度 ・外径:10芯で≒10mm程度
・重量::1芯で≒80kg/km程度 ・重量:10芯で≒90kg/km程度
外乱への
耐性
×
・ケーブル間クロストーク発生 ・ケーブル間クロストーク無し
・落雷による混入雑音発生 ・落雷による雑音混入なし
NF ×
・< 15~20dB程度 ・45dB程度。LNAと組み合わせて
  20~25dB程度

光のシステムは、(a)半導体レーザを用いた送信素子(LD: Laser Diode)、(b)伝送路(光ファイバ)、(c)受光素子(PD: Photo Diode)、から構成されます。(a)では無線信号(電気)をLDへ注入する事により、光キャリアに無線信号を載せる事が出来ます。この光信号を送出し、(b)の光ファイバ経由で(c)のPDまで導きます。PDでは、光信号を元の無線信号に変換します。(a)、(c)を搭載した装置をそれぞれ光送信機(光Tx)、光受信機(光Rx)と呼びます。次に、無線システムに光システムを取り入れた光ソリューションの特長を述べます。

図2 従来の構成および光ソリューションの構成

①RF信号伝送特性

図2に、従来の無線システムの構成(同軸ソリューション)と光ソリューションの構成を示します.同軸ソリューションは、送信機と受信機の間を同軸ケーブルもしくは導波管で接続する、最もシンプルなシステム構成です。伝送距離に依存するロスが大きいため、適宜、伝送路中にRFアンプを使用します。また、周波数に依存するロスが大きいため、低域と高域にそれぞれ信号を載せますと、受信側では高域の信号レベルが小さくなります。

光ソリューションは、同軸ケーブル(導波管)を光ファイバに置き換え、その両端に光Tx/光Rxを使用するシステムです。光Txの前段および光Rxの後段には、常にRFアンプを使用します。光ファイバは伝送距離に依存するロスが小さいため、伝送路中での信号増幅は必要ありません。また、周波数に依存するロスが小さいため、低域と高域にそれぞれ信号を載せても、受信側では低域の信号はもちろんの事、高域の信号も殆ど劣化しません。

②システムコスト

光ソリューションは運用室とアンテナサイトの間に光Tx/光Rxを追加するため、同軸ソリューションに比べ機器追加分の費用増が発生します。一方、同軸ソリューションは、伝送距離が長かったり信号が高周波数になると、使用するアンプの数量増による費用増が発生します。ケーブルの費用および施工費用は光ソリューションが有利と言えます。このような考えの中、当社では、システム総合のコストを比較した場合、伝送距離300~500mにて同軸ソリューションと光ソリューションでほぼ同等、500m以上で光ソリューションにメリットがあると考えております。

施工性

光ファイバは細径かつ自由に曲げられるため、スペース少ない管路にも追加配線をすることが出来ます。

図3 各伝送路

④外乱からの耐性

光ファイバは石英ガラス製の伝送線路ですので、管路中で複数本を束ねてもケーブル間クロストークは全く発生しません。さらに、近隣地域に落雷が発生しても落雷雑音が混入しないため、運用室あるいはアンテナサイトに設置されたRF機器の故障を予防する事が出来ます。

⑤NF

光Txの信号入力端と光Rxの信号出力端の間の総合NF(Sout/Sin)は、約45dB程度になります。通常、光Txの前段および光Rxの後段にはLNAを使用しますが、この場合のNFは20~25に改善されます。同軸ソリューションに比べれば、少し高い値になっています。

1.3 光ソリューションの実力

表2 計算結果の例(RF入出力利得)

Tx Rx 周波数範囲[GHz] RF入出力利得[dB]
10381
(光出力1mW)
10481 0.01 to 2.7 -8
10381
(光出力5mW)
6
10381
(光出力15mW)
12
10382
(光出力1mW)
0.01 to 2.7 21
10382
(光出力5mW)
35
10382
(光出力15mW)
41

表2に、光ソリューションのRF入出力利得(図2のSout/Sin)の例を示します。10381はRFアンプ非内蔵モデル、10382はRFアンプ内蔵モデルです。また、10481はRFアンプ内蔵モデルです。光ロスがゼロの時、表2のようなRF入出力利得を得る事が出来ます。光のロスによってRF入出力利得は、

・RF入出力利得=表2に記載されたRF入出力利得の値-2×光ロス[dB]

となります。 例えば、光伝送距離が500mの場合、

・光ファイバの伝送ロス≒0.4dB/km→0.2dB/500m
・光接合部分のロス≒0.2dB/接合点

が一般的な値となりますため、10381(光出力5mW)と10481を組み合わせた時のRF入出力利得は、

・RF入出力利得=+6d[B]-2×(0.2dB+0.2dB×2)=+4.8[dB]

となります。

注意)

表2で記載した機種は製造中止になっております。

後継機種をご案内致しますので、お問い合わせください。

1.4 システムの構成例

図4 単線での双方向伝送システムの構成例

図4に、光リンクを用いた冗長回線の構成例を示します。無線信号を一旦2つに分配した後、2つの光Txへ入力します。TxとRxは1対1のペアになっています。回線1(1')と回線2(2')には同じ無線信号が載っています。受信側には、経路選択スイッチ(RSU: Redundancy Switch Unit)が搭載されます。通常、回線1(1')を主回線として使用します。もし回線1(1')に光ファイバ破断、光Txあるいは光Rxに故障が発生した場合、回線2(2')に自動切換えします。

2.光の基礎

2.1 無線領域と光領域の周波数の違いについて

図5 波長・周波数

図5に、無線周波数と光周波数の関係を示します。電波、光の双方とも電磁波ですので兄弟といっていい間柄かも知れません。光通信では、「周波数」より「波長」で表現される事が多く、例えばFTTH等の光通信で一般に用いられる光は「1.31μm帯の波長の光」あるいは「1.55μm帯の波長の光」と表現されます。これを周波数に置き換えますと、およそ200THz(1012乗)に相当します。無線アプリケーションでは、数十MHz~5GHz(106~109乗)の周波数帯を利用するケースが多いかと思いますので、無線周波数と光周波数の間には大きく隔たりのあることが分かります。光通信でよく利用される波長範囲は1530nm~1605nmですが、これは周波数範囲で考えると9400GHzという周波数幅になります。光通信は、この潤沢な周波数資源をフル活用し、大容量信号を何本も束ねて光伝送させます。

2.2 光ファイバについて

2.2.1 基本構造およびロス、波長分散

図6に、光ファイバの構造を示します。コア、クラッドと呼ばれる2つの石英ガラス層が基本となります。円筒形のクラッドの中心をコアが貫通しています。コアの断面から適切な角度の光が入力されますと、入力光はコアとクラッドの境界付近で反射を繰り返しコアに閉じ込められたまま伝送されます。コアの中に光が閉じ込められ続ける理由は、コアの屈折率がクラッドの屈折率に比べて若干高く作られているためです。

光ファイバは、シングルモードファイバ(SMF:Single Mode Fiber)とマルチモードファイバ(MMF: Multi Mode Fiber)の2種類に大別されます。SMFは、コア径が9μm前後、MMFは50~85μm程度という構造の違いで区別されます。SMFに光を入力しますと、コア径が小さいため、光は一つの伝搬経路を通過していきます。一方、MMFはコア径が大きいため、入力された光は、同時に複数の経路を通過していきます。無線通信に置き換えますと、SMFを使用する場合は高指向性アンテナを用いたpoint to pointの通信、MMFを使用する場合は直接到来波と不要な遅延波をまとめて受信する通信、といった例えになるでしょうか。光通信ではSMFファイバを使用します。SMFといっても様々な種類がありますが、ここでは割愛します。

光はSMFを伝送していくうちに、コアに含まれる不純物材料での吸収によりロスしたり、曲げによりロスしたり、あるいは材料の不均一性のせいで不要な反射成分を生じます。特に、材料吸収によるロスは、光の波長によって被る量が異なります (図7)。光通信では、幾つかの理由から1310nm帯および1550nm帯の光波長が利用されていますが、標準的なSMFにこれらの光を通過させますと、およそ1310nm帯の光で0.4dB/km、1550nm帯の光で0.25dB/kmのロスになります。

図6 光ファイバの構造

図7 光波長とロスの関係

図8 光波長と分散の関係

図9 分散の影響

また、光ファイバには波長分散とよばれる、光波長によって光の進む速度に差を生じさせてしまう現象が有ります(図8)。光信号は、様々な光波長の集合体としてみる事ができます。各波長の光ファイバ伝送速度が異なるため、長距離伝送後には波形が崩れてしまいます(図9)。 分散量は、ps/nm・kmという単位で表されます。例えば分散量が17ps/nm・kmという場合、パルス幅1nm(周波数では125GHzの幅)の光信号が1km伝送された時、 17psのパルス広がりが生じることを示します。

分散による波形歪みは、広帯域信号の伝送時、あるいは長距離伝送時に顕在化しますが、無線信号に光通信で考えるような広帯域信号は存在しないですし50kmを超えるような長距離伝送も無いと思いますので、それほど神経質にならなくて良いと思います。ちなみに、標準的SMFは、分散の影響を受けない光波長が1310nmとなるように作成されています。また、SMFのなかでも分散シフトファイバ(DSF: Dispersion Shift Fiber)と呼ばれるものがありますが、これは分散ゼロとなる光波長が1550nmとなるように調整されたSMFです。

実験室にて光リンクの特性確認をするには、例えば図10に示すような光ファイバを入手されると、十分な強度をもっておりますため、使用しやすいかもしれません。直径900μm(外皮ナイロン)等も簡単に入手できますが、挟み込み等でファイバを破断させてしまう可能性が有ります。

図10 光ファイバの断面

2.2.2 光ファイバの接続方法

(a)融着スプライス

最も低損失、低反射になる接続方法です。専用の融着装置を使用した融着接続です。被覆層を全て除去してクラッドを剥き出しにした光ファイバの先端を突合せ、マイクロスコープで観察しながら調芯の上、融着接続します。融着スプライスによる過剰ロスは<0.1dBです。

(b)メカニカルスプライス

融着接続と同様、被覆層を除去してクラッドを剥き出しにした2本の光ファイバ先端を突合せます。専用のファイバホルダを用いて調芯したあと、光ファイバ間の空隙に、屈折率マッチングジェルを充填します。標準的な接合ロスは0.5~1.0dB程度になります。この方法は、この方法は、融着スプライス法に比べれば、安価かつ簡易に実施できますが、環境温度の変化により大きくロス変動をもたらすため、光学実験用途に用いられる手法です。

(c)光コネクタ接続

光ファイバ同士を接続する最も簡単な方法です。詳細については次節(2.3)で説明します。

2.3 光コネクタについて

2.3.1 種類

表3 コネクタ研磨の種類

光コネクタにはいくつかの種類があります。主に2種類(FC型、SC型)の外形、 3種類(PC研磨、SPC研磨、APC研磨)の先端研磨方法があります(表3)。

アナログ無線伝送用の光装置にはAPC研磨の光コネクタを適用します。APC研磨は光コネクタ接続点で発生する反射光がファイバの外側に放出されるため、光反射の低減に有効です。アナログ無線伝送用の光リンクでは、光反射の低減がシステムパフォーマンス向上のために重要です。

一方、デジタル伝送用途では主にPC、SPC研磨が適用されています。APC研磨に比べ光反射が大きいものの、デジタル伝送用のシステムでは影響を受ける度合いが小さいためです。光反射は研磨方法によって異なり、PC、SPCでそれぞれ>-30dB、>-40dB、APC研磨で>60dBとなります。なお、 APC研磨の光コネクタとPCおよびSPC研磨の光コネクタの直接接続はくれぐれも避けて下さい。形状の違いからコネクタ先端部分に空隙が生じるため、光反射を増大させ、システムパフォーマンスを大幅に劣化させます。

2.3.2 取り扱いの注意事項

光ファイバの取扱いには注意が必要です。特に光コネクタの先端部分は、清潔に保つ必要があります。光の伝送部分(コア)の直径は8-10μm程度です。指で直接光コネクタ先端に触れたり、ゴミの付着、あるいはほんのわずかな傷でも簡単に光ロス、光反射が増大いたします。特に、光コネクタ先端にゴミが付着したまま光装置に接続しますと、最悪の場合、光装置の光コネクタ先端部を傷つける恐れがあります。

光コネクタは、未使用時にはコネクタキャップをかぶせます。光ファイバと光装置を接続する際には、予めコネクタ先端を専用クリーナーやエタノールを染み込ませたレンズペーパーで洗浄して下さい。

光コネクタ先端を洗浄しても光ロスが通常レベルにならない場合、ファイバ破談やコネクタ端面に傷がついた恐れがあります。その際は購入先にお問い合わせください。

2.4 どちらの光波長を利用すべきか -1310nm or 1550nm?-

表4 光波長による違い

項目 1310nm 1550nm
伝送ロス 0.4dB/km 0.25dB/km
光アンプ 特殊 標準製品
光出力
分散 標準SMF伝送時はほぼ0 標準SMF伝送時は約17ps/nm・km
DSF伝送時はほぼ0
チャーピング
光雑音

表4に、光波長1310nmおよび1550nmを使用したシステムの特長を示します。

光波長1550nmの光は、伝送ロスが低く、1550nmの光を増幅する事の出来る光アンプも一般入手可能なため、超長距離(≧50~70km)伝送用途には適しています。コアネットワークでのデジタル伝送用途には、こちらの波長が用いられています。無線伝送用途でも超長距離伝送する際には、まずは1550nmの光のご使用をご検討下さい。

≦50~70km以下の伝送用途では、光波長1310nmと1550nmの双方を検討対象として下さい。標準SMFを使用する場合、LDからの光出力が高く、波長分散による波形歪みも小さな1310nmのご利用がお勧めです。光波長1550nmを使用しますと、波長分散によって伝送距離が制限されます。一方、DSFを使用する場合には、光波長1550nmのご利用がお勧めです。

ちなみに、光波長1310nmと1550nmを同時に利用するシステムもあります。波長多重技術(WDM: Wavelength Division Multiplexing)と呼ばれるもので、1本の光ファイバに光波長1310nmと1550nmを同時に載せます。ファイバ中に混在した光は、受け側で波長選択フィルタ等で個別に取り出します。この方法は、光ファイバの使用芯数を減らしたい場合に有効な方法です。例えば、一本の光ファイバを使用して光波長1550nmの信号をベース基地からリモートアンテナに送信し、他方で光波長1310nmの光信号をリモートアンテナからベース基地に送信する、といった事も可能です。

2.5 光送信機について

2.5.1 LDの種類

LDは、主に2種類あります。低雑音、高ダイナミックレンジを有するDFB(Distributed-Feedback)タイプと、経済性に優れるFP(Fabry-Perot)タイプです。
DFB-LDは、波長選択フィルタ(グレーティング)をLDチップ内に搭載しており、ほぼ1本の光スペクトルのみを出力します。一方、FP-LDは、中心スペクトルと同時に、その近傍に存在する複数のスペクトル成分も出力します。DFB-LDは光ファイバの波長分散の影響を受けにくく、広帯域な光信号を長距離伝送する事が出来ます。
図11に、FP-LDとDFB-LDの雑音状態を示します。FP-LDでは、伝送距離が長くなるにつれてメインキャリア近傍の雑音成分が大きくなっている事が分かります。一方、DFB-LDでは、伝送距離~20kmに渡って雑音は殆ど増加していない事が分かります。DFB-LDを使用したときの唯一の加算雑音は、レイリー散乱に起因するわずかな干渉雑音のみとなります。

図11 FP-LDとDFB-LDの雑音の違い

2.5.2 DFB-LDの変調

半導体レーザに、ある閾値(Ith)を超えた電流を流しますと、注入電流値に応じて光の発光が始まります。所定の電流値に予めバイアスをしておいた上、LDへ元信号を入力しますと、入力信号電流に応じた光信号が出力光として取り出せます。注入電流と光出力の間は、ほぼ線形な関係となっております。

図12 DFB-LDの変調

2.5.3 ブロック図

図13 光送信、光受信機のブロック図

図13に、光送信機のブロック図を示します。光送信機に入力されるRF信号は、RF増幅器およびインピーダンスマッチング回路を介してLDへ注入されます。一方で、DCにてバイアス調整が施されます。バイアス点を中心にして、注入電流に応じて変調された光出力が送出されます。LDの後段には光アイソレータが挿入されており、光反射成分等の戻入光より生じる特性劣化を抑圧します。光波長はTECにより安定化されます。

2.6 光リンクと同軸リンク

図14 光リンクと同軸リンクの比較

これまで述べたとおり、光リンクはLD、光ファイバ、PD(図14上)の3要素から構成されますが、これを同軸ソリューションに置き換えますと、図14下の構成になります。LDはRF信号とローカル信号の積算器に相当します。LDからの出力光(周波数200THz近傍)がキャリアに相当し、入力RF信号を載せます。PDは二乗検波回路に相当します。PDにてローカル成分と信号成分の差周波を取り出します。回線設計時には、LDの電気/光変換効率、PDの光/電気変換効率、光ファイバの伝送ロス等が考慮されます。

2.7 システムの安定化のために -光反射の低減-

2.7.1 LD雑音

光ファイバと光装置の接続点等にて生じる光反射は、システムパフォーマンスの大きな劣化要因となります。 LDが戻入光に対して特性劣化するためです。光反射の発生によって、例えばLDから送出された光スペクトルにスパイク状のスプリアス(雑音)が発生することがあります(図15)。この雑音レベルは光反射量にもよりますが、30dB程度になる事もあります。長距離伝送時には、レイリー散乱と呼ばれる現象の影響もあり、システム総合雑音を一層大きなものとします。基本措置として、LD後段に挿入するアイソレータで反射光をブロックします。

図15 LD送出光のスペクトル

2.7.2 光干渉雑音

図16 光リンク構成例

光アイソレータを使用すれば解決というわけではなく、光反射自体は低減しなければなりません。LDにて発生するスプリアスの他、LD送出光と反射光が干渉する事によっても新たな雑音が生み出されてしまうためです。繰り返しになりますが、光コネクタ、光ファイバのスプライス部分、全ての光部品の接続点から生じる光反射に注意して下さい。

例えば、図16のような光リンクを考えます。2入力4出力の光スプリッタを使用して、光送信機から送出される光を3つの光受信機に送り届ける構成です。図中の白丸は、光ファイバと光機器の接続点を示しています。図16(a)の構成では、赤丸部分から大きな光反射が発生してしまうため、適切な光リンクの構成とは言えません。光スプリッタの未使用ポートの開放端から光反射が発生します。

そして、これら複数の光反射点の間で光は多重反射し、干渉雑音成分が生成されてしまいます。当然、前節に述べたとおり、LDへの戻入光によりスプリアス劣化を引き起こす可能性もあります。また、光コネクタは同じ研磨方法のもの同士で接続する必要があります。図16(b)が正しい光リンクの構成となります。仮に、光コネクタがPC研磨あるいはSPC研磨のもので構成される場合、APC研磨のものを使用する時に比べ確実に光反射量は増加しますので好ましくありません。

2.8 一般的な光部品、光装置

光アッテネータ

光のパワーを減衰させるための部品です。可変減衰タイプと固定減衰タイプがあります。通常,光Txは一定の値の光パワーが出力され、調整することが出来ません。光ファイバは伝送ロスが極めて少ないため、もし高出力の光送信機を用いて光を伝送させると、光Rxへ入力される光パワーが受信機の最大定格を越えてしまう危険性があります。この状況を回避するために光アッテネータを挿入して光パワーを調整します。なお、光ロスを過剰に与えると、光リンクのRF入出力利得が劣化しますのでご注意ください。

光アイソレータ

送り方向の光を通過させ、反射方向の光をカットする為の部品です。通常、光Txの内部に標準搭載されていおり、反射光をカットする事によりLDの動作を安定化させています。

光スペアナ

光の周波数(波長)スペクトルを確認するための測定器です。光ファイバ出力を光スペアナと接続します。RFスペアナと比べ分解能は低く、10GHz以下の変調波を光スペアナで観測する事は困難です。

光パワーメータ

光の周波数(波長)スペクトルを確認するための測定器です。光ファイバ出力を光スペアナと接続します。RFスペアナと比べ分解能は低く、10GHz以下の変調波を光スペアナで観測する事は困難です。

光カプラ

光パワーの分配器です。1×2光カプラが一般的ですが、1×N(多分岐)の光カプラも入手可能です。

光アンプ

光パワーを増幅する装置です。通常は1550nmに対応したものが入手可能です。利得~22dB程度のものがあります。

光フィルタ

光の不要成分を除去する部品です。 RFフィルタに比べ急峻度は小さくなります。

注意)

表2で記載した機種は製造中止になっております。

後継機種をご案内致しますので、お問い合わせください。

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